ワタクシの中でのX11

「添い遂げる覚悟ができたのでいじり始めた」
とは、ワタクシが方々で吹聴して回っているコトバでございます。

バイクに詳しい人や業界の人にX11をいじってる旨を話すと、「なんでX11?」と言われる事がまれによくあります。普通はZかCB-Fじゃないの、と。
確かに、エンスージアスティックを趣味とするのが目的なら、ZやCB-Fはパーツも多いし情報も多い。これらなら、古いクルマをいじる、維持するカタルシスを存分に味わえるでしょう。
ワタクシの場合は、それらは楽しむための一要素ではあっても目的じゃないので、それを目的にした車種を選ぶというのでは、本末転倒となってしまうのです。

我が家のX11、実意は2台目です。それくらい気に入っているわけだけど、後継機と呼べるバイクが出たらいつでも乗り換えるつもりで所有しておりました。それがいつまで待っても出やしねえ。そもそもベースになったCBR1100XXの後継機が出ないのだからお話にならない。
CB1000R(イタリアホンダのあれね)が出た時に、少し「お?」と思ったけど、やっぱり違う。現行のCB1000Rはかなりイイ線行ってるけど、でも違う。そもそもありゃ900ホーネットの後継だし。
VFR1200が出た時、輸出仕様はこっそり170ps以上出てるという話を聞いて、これベースにV4ブラックバード的なのが出ればワンチャン…… とかすかな希望を抱いたのだけど、カスリもせず。ていうかVFR1200どこいったよ。
強い個性のあるモノって、それがアイデンティティなので中々『旧く』ならない。X11もご多分に漏れず『旧く』なってはいないのだけど、スペックや細部のディテールにはそろそろ時代を感じる。
そんな時に事件が。

CB1300SFが6速化

それでもまあ、ホンダのフラッグシップネイキッドはX11、という自負はあったのですよ。CB1000Rにはスペック的に負けてるけど、あれは別カテゴリーなので。
現行モデルの旗艦ネイキッドと言えばCB1300SF。方向性は違うけど、意識する存在。

そして2014年、CB1300SFのモデルチェンジ。

良さげな広報写真がなかったのでResponseさんから…

型式はSC54のままなのであくまでマイナーチェンジではあるのだけど、ついにアレが。
6速ミッション

X11のミッションは5速。実はそこまで気にしてなかった。ベースとなったCBR1100XXよりピークトルクの発生回転数を低くし、トルクバンドも広いX11のエンジンには、6速で細かく繋ぐよりは広いレンジで豪快な加速を楽しんでこそ、という感覚だったし、なによりホンダ自身が旗艦ネイキッドの6速化を敬遠しているように見えたから。

ところが、当のホンダがCB1300SFに6速ミッションを与えおった。約束が違う。
そうかい。そうくるかい。それならこっちにも考えがある。近代化改修、やってやろうじゃないか。
というわけで始まりました。

X11近代化改修

「近代化改修」って言葉がオタクっぽい。という話はおいていて。
CB1300SFのアップデート、外から見てわかりやすいのはホイールが細身の10本スポークになった事かな。
まずはここ。

この第一期近代化改修を開始した時点では、まだ実車を見る事ができなかったので、写真から判断できる範囲で似た雰囲気のホイールを探す事に。ホンダの新しい純正ホイールが出回るのを待つのも考えたのだけど、ここはあえて社外品を採用。理由は…
リアタイヤのサイズ。
X11の立ち位置的はビッグネイキッドとメガスポの中間と考えています。そうすると、リア180サイズは少々マズい。
一応、5.5インチリムの純正ホイールに190サイズを入れてみたのだけど、サーキットでそれなりのペースで走ってもエッジ付近が5mmほど接地しなくなっちゃってた。という事は、接地面積は変わってないどころか減ってる可能性もあるし、プロファイルもタイヤ本来の形状とは変わってしまい、タイヤの設計時に想定していた運動性を発揮できない。見た目を優先したカスタムに異を唱えるつもりは1mmもないけど、見た目以外はデメリットしかない、というカスタムはちょっと遠慮したいので、190サイズを履くならリム幅アップはセットで考えねばならぬのです。

というわけで、ゲイルスピードのタイプRというモデルが良さそう。
さらにこのタイプRというモデル、当時の最廉価グレードであるタイプNより軽くて強いにも関わらず、お値段一緒だった記憶が。デザイン的に当時の流行はタイプNのようは5本スポークだったのと、ボリューミーなX11の上半身に組み合わせるにはタイプRの線の細いイメージはどうなんだろうと、多少は迷いもしたけれど。

バイクでホイール交換とか、おそらく一般的な基準では結構なお大尽なのだけど、独身だった当時ではそこまで痛手だとは考えず。そして後戻りはしない/できない覚悟で、冒頭の言葉。

似てると思うんだ

アフィ貼っとく。ちなみに、リアは全年式、フロントは99-のCBR1100XXと共通だよ

ちなみに、この時のホイール購入は、2019年5月時点での最終案を考えると、遠回りの無駄な出費になってしまったのです。悲しみ。
んでもとりあえず、これで第一段階。

ホイール交換のインプレなど

前後併せて5kgくらいの軽量化になってます。バネ下の。
バネ下重量の軽量化は、1kg当たりバネ上15kgの軽量化に匹敵する~ などと昔から言われてはいます。どういう基準で数値化したのかしらんけど。理屈で言えば、路面追従性は良くなるけど、重くする事で細かな振動を抑えて乗り心地を改善する~ という手法もあるらしいので、ホントにどうなんだろうねこれ。
ただし、パッと理屈を考えても、ホイールの慣性重量には大きく影響します。ジャイロ効果が減るんで、加速、減速、倒し込み、ステアの全部が良くなるのは間違いないです。
寝かせやすさと曲がりやすさって、実際には別の要素。よく曲がるバイクは起きも強くなるんで、それを寝かせ難さと感じる人もいます。そして曲がらないバイクは旋回による慣性力も小さいので、起きが弱くなり、それを寝かせやすさと感じる人もいます。
車体を寝かす事に思いきれないくらいの初心者の場合、ディメンション的には曲がらないバイクに分類される車両でも、寝かせやすさゆえに曲がりやすいバイクと感じることもあるくらい。

話がそれた。
んでホイール交換の感想。寝かせやすくなって、向きも変わりやすくなりました。スロットルに対するレスポンスも良くなってる気がするけど、これは軽量化よりハブダンパーの容量が減った事が理由かも。
足元を軽量化した事で、相対的に重心が上がってるはずです。切り返しが速くなったけど、これもジャイロ効果の軽減と併せての事のはず。
とりあえず、サイドスタンド状態から起こす時の「よっこいしょ」以外では、ホントにミドルクラスみたいな軽さになってます。感動。

そして次回、ついに本格的に近代化改修に入っていきます。

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