結局スーパーコルサ(通称スパコル)を履くことにしたCBR250RR。
以前、CBRの手応え感なさはタイヤのキャラじゃないかと書いたのですが、タイヤ交換して改めてそのことを確認しました。
軽さや入力に対するレスポンスの速さはそのままに、フィーリングや倒し始めの挙動が、いわゆる「スーパースポーツ」のそれになりました。
スパコルといえば、サーキットのフリー走行枠でおそらく一番人気のタイヤ。
豊かな接地感と温まりの早さ、滑り始めもわかりやすく、減ってからのタイムの落ち込みやフィーリングの変化も穏やか。そしてそれ以上に、このクラスのタイヤ唯一の『用品店で普通に買える』タイヤという最大のメリットが。
レース用タイヤを街乗りで使うなんて、という方もいると思いますが、このスパコルに関して言えば、走り出しこそ多少の注意は必要ですが、発熱の早さのおかげで数分走ればそこらのスポーツタイヤ程度にはグリップするので、意外とイケるのです(当社比)
ただし、厳冬期のことには触れません。はい。
で、そのスパコルを履いたCBR250RR。
フロントは、純正のGPR300に比べて接地面が縦長になったような感触。直立時は真っすぐに転がろうとし、倒し始めから自然な感触で舵角が付いていきます。なので、ワインディングなどをまったり流す程度では、むしろGPR300の方が曲がると感じる人もいるかもしれません。
リアは尖ったプロファイルのせいで、GPR300と比べると細く見えます。しかし、このプロファイルが、接地感を伴った倒しこみの早さと、寝かせているときの安定感を生み出しているのではと想像します。フルバンク付近からの開け始めでも、250㏄程度のパワーではそうそう滑る気配はありません。調子に乗ってるとどっか行っちゃいますが。
そして、この手応えが、バイクに対して積極的に働きかけようとしたときの信頼感になります。
GPR300というタイヤの乗り心地と軽快感という売りは、エントリー層を含めた多くのライダーが触れるであろう250ccスポーツには悪くないセレクトだと思います。
ですが、例え『一般道90%、サーキット10%』という使い方であっても、その10%のために90%は多少の我慢も許容する、という向きには、ナンバー付き車両でもこのスパコルのようなタイヤを選ぶのは十分アリなのではないでしょうか。
路面とバイクを繋ぐただ一つの部品がタイヤ。
結局のところ、タイヤが路面に対してどう働こうとするかがバイクの動き。
どんなパワフルなエンジンを載せても、どんなにしなやかに動くサスペンションを装備しても、最終的な性能とキャラクターはタイヤが決めてしまうと言っても言い過ぎではないと思います。