前回のエントリーでは何一つ説明しませんでしが、今回はその続き。
大型自動二輪免許を取る理由って、だいたい二通りに分かれると思うのですよ。
一つは、乗りたいバイクがたまたま大型だったというもので、
もう一つが、バイクの選択肢を広げるため、というもの。
前者は、例え600ccでも408ccでも、400ccを超えている以上、大型免許を取るしかないわけで、
取ったからには(さまざまな理由で遠回りするかもしれないけど、いつかは)目的のオートバイを手に入れればハッピー。
ここでX11をオススメするのは、後者の理由で大型自動二輪免許を取った人。
何に乗っても良いよ、と言われてしまえば、とりあえず
『一番大きいの!』
と思ってしまうのは男の子としてしょうがないわけで。
ここで言う『一番』というのは、常識的な範囲で言う所の一番大きいヤツであって、
なにもV8ビッグブロッグを載せたアレとかいうわけでなく、ひとまずリッターかその辺になると思う。
で、数年前までの話なら、オススメだったのがX11。
まず、見た目から デカい。
太っといアルミのツインスパーフレームがパワフルさを強烈アピール。
このクラスのネイキッドで主流の、スチールダブルクレードルとはインパクトが違う。
そして、速い。
国内仕様はお決まりの100psだけど、当時のバイクは簡単にフルパワー化できたので(情報もメーカーがリークしてた?)、
実質140psが標準。ちなみに、国内仕様には触媒がないおかげで、実測ではEU仕様より1~2psくらい上回っていたとか。
しかも、もともと161psあったブラックバードのエンジンを、わざわざ中低速に振ったおかげで、
加速性能はこちらの方が良いくらい。
さらに、とんでもなくあつかいやすい。
初期のインジェクションにしては、ドン突きもよく押さえられていて、
実に素直なスロットルレスポンス。
ブラックバードより連動を押さえられたD-CBSは、スポーツ走行でもより自然なブレーキング感。
デカくて重たいのにスパッと寝かせられて、かつ舵角の付き方もわかりやすい。
その上、寝かせてる状態での安定感も抜群。ちっとも怖くない。
真っ直ぐ走って安定し、コーナーもスイスイ。
やはり、せっかくの大型免許。大きく力強いモノに跨ってる、という満足感はとても重要だと思うのです。
他人から見ても、この大きさと見た目の異形感は「あの人なんかスゲえの乗ってる」と思われる事必至。
しかも、それをしっかり乗りこなしていると実感できれば、自尊心をくすぐられまくって、
「オートバイ」そのものをもっと好きになる事ウケアイ。
こんな素晴らしいオートバイが、なぜかとても不人気。
そのため中古価格は常にド底値! ……でした(過去形)
今となっては、さすがに少々古いのと、タマ数も減ってきて、
初心者が維持するのはそれなりに気を使う車両になってしまいました。
なので、かつてオススメだったバイクなのです。
ちなみに、このように素晴らしいバイクなのですが、問題もいくつかあります。
それも、人によっては大変由々しき問題で、ここがクリアできない場合は全くオススメできなくなります。
一つが体格の問題。
身長に関しては、日本人男子としての平均値をクリアしていれば大丈夫なのですが、
なにせ少々重心が高めで若干重たい。
オートバイの取り回しは基本的に『コツ』なのですが、やっぱりちょっとはバランス崩してしまう事もあります。
その時に、あまりにギリギリだとリカバリーが難しい。
そして、さらに重要なのが自制心。
速くてよく曲がって扱いやすい。
それを自分の腕と勘違いして調子に乗ってしまうと、いとも簡単に取り返しのつかない事態へと引き込まれてしまいます。
つまりこういう事です。大事なのは身長と慎重。
あ、いや、なんでもないです。