マフラー交換後のインプレとフォローアップ記事です。


以前の記事はこちら

なんでマフラー交換?

そもそも、なんでマフラー交換するの、という話。

昔は、ノーマルマフラーは音量規制に排ガス規制、コストの問題と、さまざまな理由でバイクの性能をスポイルしている、と言われてきました。
ところが、現代のバイクの場合はそう簡単な話ではなくなっているそうです。

現代のバイクは、エンジンの制御が緻密になり、排気効率も含めて全てがバランスしているため、一部だけの交換はデメリットばかりでメリットは少ないと言われています。さらに、今はアフターパーツにも新車同様の規制への対応が義務付けられているという点が。
なので、今どきのリプレイスマフラーって、きちんとした物はかなり静かです。

となると、じゃあ見た目だけ? という話になりそうです。

マフラー交換のメリット

というわけで、今どきのノーマルマフラーは良くできてはいるのだけど、交換する余地がないかと言われると、ゼロというわけでもなさそうです。

一つは、昔と変わらぬコストの問題。
バイクの開発は常にコストとの戦い。要件さえ満たしているのならば、安いほうが良いのは間違いなく。
高級モデルに限ればチタンなどの高価な素材をふんだんに投入しているけど、それはやっぱり一部のモデルのみ。普通は良くてステンレス。コストが売上に直結するクラスなら、たいてい鉄。重いのです。
ここをリプレイス品に交換すれば、相当に軽くなります。
しかも、排気管は車両の外周付近を通り出口が車体の末端近くな場合が多いので、重心から離れた位置を軽くできます。同じだけ軽くなる場合でも、重心付近と重心からはなれた場所とでは、運動性にかなりの差が出ます。マフラー交換による軽量化は、実重量以上の差が出る事が多いのです。

もう一つが耐久性。
もちろん、これはノーマルの方が高い場合がほとんどなのだけど、それがネックになっていたりも。
ノーマルの状態というのは、規制値に対してかなりの余裕を持たせてあります。
これは、時間による性能劣化や、生産公差などで設計通りの性能が出ていなかったりといった事を想定しての余裕を見ているわけですが、ユーザー側としては、その分を性能に振って欲しいという心情も当然あると思います
ただし、鉄よりステンレスやチタンの方が腐食には強いので、きちんと造られたリプレイス品の場合は、規制への対応以外の部分ではむしろノーマルより耐久性が高かったりする事も。

そして何より

見た目の問題
ノーマルも十分格好良いと思いますが、人にはそれぞれ趣味がありまして。
CBR250RRのノーマルマフラー場合、ディテール的には整合性も取れているし、近未来的な格好良さといったらかなりの物です。
しかし、それを認めつつも、個人的には主張が強すぎて少々バランスが宜しくない。
そして、いわゆる『レーシー』な格好良さとは少々ベクトルが違うかなー、と。
そんなわけで、交換と相成りました。

あと、ウチラの世代だと、無条件に『マフラーは交換するモノ』と遺伝子レベルで刷り込まれているのですよ。

exhaust
見た目も重要
フルエキかスリップオンか

だいたいは、
スリップオン=見た目と音のみ
フルエキ=性能重視
みたいな空気になってると思いますが、商品説明を見てると、スリップオンでもフルエキと変わらないか、上回るパワーアップを宣伝してる事も多いです。
確かに、最近はノーマルのエキゾーストマニホールド(エキパイ)は良くできているので、サイレンサー交換だけで十分な性能を出せる、という説明もわからなくはないのですが、ならフルエキとして売られている商品もノーマルエキパイとそっくりな形になっているわけで。
しかし、比べてみるとそうでもない。中間で短絡されていたり、集合部までの長さが違ったり、そもそも太さもまるで違う事が多い。アフターパーツもちゃんと考えて作ってある物なのです(そうでもないメーカーもあったりするけd)。
んでも、どっちもプラス2psと宣伝してたりしますが、ピークパワーとは違う所で差が出てたりします。

ワタクシの経験上の話になってしまって恐縮なのだけど、今までの経験だとピークパワーの出るスリップオンは、パワー計測すると体外「穴」ができます。
ピークパワーは出るけど、中間域はノーマルより落ちたり。そしてそこでタメができるおかげで、よりパワーアップ『感』が感じられたり……。
ピークアウトしたあとの落ち方に差が出たりもします。例えば、ピークが11,000回転辺りだとすると、そこを超えると急にトルクが落ち込み、「ただ回ってるだけ」な感じになったり。
もちろん、この状態を根本的に解決しようとすると、バルブタイミングの変更云々という話になってくるのですが、排気系だけでもある程度の差が付いちゃうのも実際にあります。

というわけでフルエキを選択

実際の所、フルエキでもスリップオン以下の性能しか出てない物もそれなりにあったりするのだけど、それを言い出すとキリがないので、ある程度名前の知られた所から選ぶ事で、多少の保険と思い込む事にします。

ところでこのCBR250RR、パーツ開発に真っ先に飛びついたのは、レース活動で知られたメーカーばかり。なので、今でこそラインアップも潤沢になってはいるけど、出始めの頃はクローズド専用モデルばかり。
若い頃なら気にしなかったのかもしれないけど、さすがにこの年齢だとそういうわけにもいかないわけです。若い子達の前では、最低限きちんとしたオトナの振りはしないとイカンですし。

というわけで、見た目も好みでお値段も手頃なフルエキを見つけました。BMS-R。
お恥ずかしい事に、このメーカーさん、スクーターのマフラー作ってる所、というイメージだったのだけど、スポーツモデルのラインアップも意外と豊富だったのですね。
開発ブログを見てると、しっかりと作っていそう(失礼)なのでこれに決めました。

ミニインプレでも……

精度は良いようで、取り付けも苦労する事なく終わりました。ワタクシはカウルの下側のボルトを外しただけでできましたが、カウルは外したほうが苦労もなくキレイに仕上がると思います。
そして今どき珍しいカチアゲっぷり(ワラ)

音量はノーマル+α程度。ノーマルの和音ぽい厚みは薄れるけど、回せばレーシングツインらしい歯切れのよい音を響かせます。

今となってはECUチューニング込のインプレになってしまうのだけど、当初の目的だった中間域のトルクはしっかり確保できてるようです。 某ミニサーキットにおいて、小さなコーナーの立ち上がりでフロントが浮いたり、ストレートでの2速-3速のシフトアップ時でもフロントの接地感が消えるくらいの加速をしてます。

そんなわけで概ね満足しておりますが、ECU書き換えの込のインプレなので、それを踏まえて受け取って下さいな。

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